onceダブリンの街角で久しぶりに映画の話です。

FolksSoulのせいで空前のアイルランドブーム只中にいる私としては
「ONCE ダブリンの街角で」 がとても良い映画だった!ということが言いたい。

アイルランドはダブリンの街角で出会ったミュージシャンとチェコ移民の女性、
恋に傷ついた二人の出会いから音楽で魅せてくれる映画です。

人生のワンシーンを切り取るようなドキュメンタリー的構成が程よい。
あまりにも素直でささやかなストーリーが歌のメッセージと共に心に沁みまして、
ふとしたときに思い出しては心地よい切なさと希望を味あわせてくれます。
アイルランドは数々の音楽アーティストを輩出してる国なので(最近知ったのだけども)
そんなアーティストたちの始まりの形を一つ象徴するような映画でもあるのですね。

お話も画も地味で起伏はなく、エンターテイメント!な映画が見たい時にはいまいちかもしれませんが
アート要素の強い奇をてらった前衛芸術映画じゃないので身構えなくてもよく、
(寧ろこんな素直な作りは初めて見たかもしれない。)
CDアルバムをゆったり聴く感覚で耳と目を傾けるのが良い感じです。
所々若干の作為を感じさせる演出があるのでここが気になる人には気になるかもしれない。
でも全体的にはさり気なくもすさまじいセンスの良さを感じて静かに圧倒されますよ。
恋愛ものというより人生の宝石ものって感じです。感性が完成してる感ありますね…。

ん? 感性が、完成…!?(台無し)

ラストシーンのカメラアングルがとても印象深くて美しかった。ああ、これも凄い映画だ。